脂肪肝炎や動脈硬化の治療薬開発に道!コレステロール吸収に関わる蛋白質を特定

非アルコール性脂肪肝炎(NASH)の現状

これまで肝硬変や肝がんの主な原因とされてきたウイルス性肝炎は、近年登場した新薬により治癒できる時代になりました。

ところがその一方で、過食や運動不足に伴う肥満や脂質異常症などの生活習慣病を原因として肝臓に脂肪が過剰に蓄積し、肝炎を発症するケースが多くなっています。

特にアルコールの摂取を原因とせず、飲酒習慣のない人が発症する脂肪肝炎を、非アルコール性脂肪肝炎(NASH:ナッシュ)と呼び、現在ではむしろ、このNASHの方が肝硬変や肝がんの原因としてクローズアップされている状況です。

現在、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)の国内患者数は200万~300万人とも言われていますが、現時点で有効な治療薬はありません。特に最近では肥満の子どもにも多く見られるようになってきており、その対策が急がれていました。

NASHと動脈硬化症に対する世界初の治療薬に

そんな中、大阪大などの研究チームは、特定のタンパク質の働きを阻害することで、この非アルコール性脂肪肝炎(NASH)や動脈硬化が改善することを、マウス実験により世界で初めて突き止めました。

このタンパク質は” TTC39B ”と呼ばれるもので、脂質の吸収や蓄積に関わる臓器に多く存在しており、2009年に米マサチューセッツ総合病院の研究チームにより、脂質代謝に関係する可能性が示されていましたが、その機能はよくわかっていませんでした。

今回、研究チームは、このタンパク質” TTC39B ”を作れなくしたマウスに対し、脂肪の多い餌を与えたところ、小腸におけるコレステロールの吸収、並びに、肝臓や血管をはじめとする体内への蓄積の両方が抑制されていることを確認しました。

本研究成果により、タンパク質” TTC39B ”の働きを阻害する新薬が開発されれば、現時点では有効な治療法のない非アルコール性脂肪肝炎(NASH)と動脈硬化症の両方に対する世界初の治療薬となりうる可能性があります。

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category : 肝臓の病気

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