将来の膀胱がんや前立腺がんの予後が禁煙期間に左右される可能性

喫煙習慣が、膀胱がんや前立腺がんなどの泌尿器がんの発症と関連していることはよく知られていますが、特にこれらのがんを発症する平均年齢が高いことから、長年の喫煙歴がある方にとってみれば「今さら禁煙しても…」と考えている人も少なくないようです。

ところが今回、米ニューオーリンズで開催された「第110回米国泌尿器学会年次学術集会」において、禁煙期間が長いほど将来発症するかもしれない膀胱がんや前立腺がんの治療に対するの予後を、大きく改善する可能性を示す報告が相次いでなされました。

禁煙期間15年未満は再発の独立した予測因子

慶應義塾大学の研究チームにより、1995年~2013年に膀胱がん治療を受けた408例を対象に、喫煙歴と予後に関する検討が実施されました。

その結果、治療当時、喫煙歴のある人(現喫煙者と禁煙者)と喫煙歴の無い人を比べた場合、当然にして喫煙歴のある人の方が5年無再発生存率が悪化していたのですが、15年以上禁煙していた人は、15年未満の人に比べると5年無再発生存率の改善が認められたのだとか。

禁煙期間10年以上で再発リスクが非喫煙者並みに

スイスの研究チームにより、前立腺がんで前立腺を全摘した患者7,191例を対象とした調査で、治療当時、喫煙習慣のあった人は、主要の悪性度が有意に高く、隣接組織への浸潤も多かったことがわかりました。

また、喫煙者および喫煙経験のある人は、喫煙歴の無い人に比べて、前立腺全摘後の再発リスクが高いとの結果が出た一方で、禁煙期間が10年以上の人の再発リスクは、非喫煙者並みであったことなども判明しました。

たった1年程度の禁煙期間でも一定のベネフィットあり

さらに、全米で実施された、膀胱、前立腺、腎臓のいずれかの全摘除術を受けた9000例以上もの患者を解析した研究では、たった1年程度の禁煙期間でも一定のベネフィットが期待できるとする報告もあります。

禁煙期間が長ければ長い程、合併症やがん再発のリスクが減少していき、やがては喫煙歴のない人と同程度にまで下がる可能性もあります。現在喫煙習慣のある方、特に泌尿器がんリスクの高い高齢者は、この機会に禁煙に取り組まれてみてはいかがでしょうか。

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category : 喫煙習慣・飲酒習慣

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