歯が少なく、入れ歯が苦手な高齢者は引きこもりリスク倍増

歯周病は歯を失う最大の原因ですが、最近では、歯を失うことによる健康上の不利益よりもむしろ、歯周病の原因となる細菌が、心筋梗塞や脳梗塞、糖尿病などの様々な生活習慣病の発症に深く関与していることの方に注目が集まっていると言えます。

ところが今回、高齢者の歯を失うことによる意外なリスクが、入れ歯の使用の有無によって影響を受ける可能性が示されました。前述の循環器疾患や生活習慣病など、高齢者の健康に直接的な影響を及ぼすリスクではありませんが、中長期的に考えた場合、身体的・精神的に大きな悪影響を及ぼす可能性があります。

残存歯と入れ歯の使用と引きこもりリスク

東北大の研究チームは、2006年に65歳以上の高齢者に対して、歯の本数と外出回数などをアンケート調査し、調査開始当時「引きこもり」でなかった4,390人を下記の3つのグループに分けて、4年間に渡って追跡し、「引きこもり」になった人の割合を分析した結果は次の通りです。

残存歯 入れ歯の使用 引きこもりになった割合
19本以下 使用する 8.8%
19本以下 使用しない 9.7%
20本以上 4.4%

また、所得や年齢(65~74歳に限定)などを考慮して調整した場合、残存歯が19本以下で入れ歯を使わない高齢者が、週に1回も外出しない「引きこもり」になるリスクは、残存歯が20本以上の人の約 1.8倍だったことがわかりました。

やはり、歯の健康状態が悪いと、他の人との会話や会食といった交わりをどうしてもためらいがちになり、外出機会が自然と減ってしまうのかも知れませんね。

引きこもりは動脈硬化を促進する

また過去の研究で、奥歯を全て失った高齢者は動脈硬化のリスクが倍増するという報告もありました。もちろん「引きこもり」は動脈硬化を促進するので、奥歯を失っていて、残存歯が19本以下、かつ、入れ歯を使っていない人の動脈硬化リスクはさらに跳ね上がると考えることができます。

いずれにしても、歯が少ない高齢者やそのご家族は、ここ数年の外出回数を振り返ってみて、外出頻度が減っていると感じた場合は、入れ歯の使用との関連を今一度確認してみてはいかがでしょうか。

Tweet about this on TwitterShare on FacebookShare on Google+
このエントリーをはてなブックマークに追加

category : iPS細胞

このページの先頭へ