変形性膝関節症の世界初の再生治療が数年後には臨床応用へ

変形性膝関節症とこれまでの治療法

その患者数は2,500万人以上ともいわれている変形性膝関節症。加齢や怪我などにより膝関節の軟骨がすり減ってしまうことが原因で、歩く時だけでなく、立っているだけでも痛みを伴うため、QOL(生活の質)は著しく低下します。

これまでの変形性膝関節症の治療は、消炎鎮痛剤やヒアルロン酸注射などの対症療法が中心で、最終的には膝の関節を人工関節に交換する手術が行われてきました。つまり、これまでは磨り減ってしまった軟骨を修復する治療法はなかったのです。

「軟骨細胞シート」を使った世界初の再生治療が臨床応用へ

数年後には、この変形性膝関節症に対する世界初の再生治療が、臨床応用に入る見通しなのだとか。「軟骨細胞シート」を使った変形性膝関節症に対する再生治療の概要は次の通りです。

患者の膝の荷重のかかっていないところから、軟骨組織を関節鏡で採取して細胞を取り出し、3~4週間かけて培養する。

それを薄いシート状にし、すり減った軟骨の表層部分に移植する。すると、軟骨細胞シートが新たな軟骨を作り出し、再生される。

つまり、残った軟骨を取り替える必要もなく、自らの膝から抽出した正常な軟骨細胞をシート状に培養した上で、現存する軟骨の表層部分にその軟骨細胞シートを移植するだけで、人間が持つ修復再生能力によって、軟骨を再生するというもの。

既に先行する臨床研究でも成果

先行する東海大学の臨床研究では、計8例の患者に治療を行った結果、手術後3カ月のMRI検査で、すべての患者に新しい軟骨が再生されていることが確認されました。

また、これまでの再生医療では、長期的に見ると再び悪化する可能性の高い線維性の線維軟骨にしかならなかったのに対して、今回の臨床研究で再生された軟骨のなんと95%は、硝子軟骨という質の良い軟骨になっていたのだそうです。

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category : その他の再生医療

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