膵がんを血液検査で早期診断する技術を開発!前がん病態の囲い込みも可能に

膵がんは、日本人のがん死亡者数の第4位を占めていることからもわかる通り、難治性がんの代表的な存在で、その理由の1つは、何と言ってもその早期診断の難しさだと言えます。

膵がんの5年生存率は、進行がんの場合には10%未満であるのに対して、転移が見られない早期がんの状態で発見できた場合には、40%程度に上がるとのデータもあり、膵がんの早期診断を可能にするバイオマーカーの開発が急がれていました。

近年の研究により、膵がんの早期診断に役立つとされる様々なバイオマーカーが報告されていますが、その多くは再現性に欠けていたり、技術的に難しいなどの理由により、いまだ臨床応用には至っていませんでした。

膵がん患者に多く発現する特定RNAを高感度測定する技術を開発

そんな中、東京大学の研究チームは、膵がん患者の血液に特定のRNA(「HSATⅡRNA」)が健康な人より多く含まれていることに着目。従来の技術では、このRNAを測定することが難しかったのですが、このRNAだけにくっつく特殊な物質を開発し、わずかな血液からでも簡便かつ高感度に、この「HSATⅡRNA」を測定する技術を世界で初めて開発することに成功しました。

さらに、この「HSATⅡRNA」は、悪性化の前段階で治療が可能な腫瘍を有する患者にも増えていたことから、この測定技術は、膵がん患者の早期診断だけでなく、前がん病態の囲い込みにも有用である可能性が示されました。

つまり、この技術が検査法として確立されれば、簡単な血液検査だけで、膵がんの早期診断はもちろんのこと、膵がんの前段階から経過を観察しつつ、必要な時期に適切な治療を施す・・・といったことも可能となる可能性が出てきたわけです。

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category : がん治療・がん研究全般

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