高コレステロール血症の治療薬が糖尿病の発症リスクを3年間で18%抑制

運動不足などの生活習慣に加え、美食や過食、脂肪分の多い食事などを背景として、高コレステロール血症を含めた脂質異常症と診断される人が年々増加している現状にあって、日本における潜在的な患者数は、なんと2200万人を越えるとも言われています。

そもそも「スタチン」ってなぁに?

スタチンとは血液中のコレステロール値を低下させる薬物の総称で、この記事を読んでられる方の中にも、スタチンを服用されている方が多いのではないでしょうか。ただ「スタチン」と言ってもピンとくる人は少ないと思われますので、とりあえず具体的な商品名を並べてみることにします。

  • クレストール
  • リバロ
  • リピトール
  • バイコール/セルタ
  • ローコール
  • リポバス
  • メバロチン
  • メバコール

いかがですか?見覚えのある名前、ありませんでした?脂質異常症の治療されている方であれば、この中の一つや二つは馴染みのある商品名だと思います。

ただ、一口にスタチンと言っても、今回の研究の対象になったピタバスタチン(商品名:リバロ)をはじめ、ロスバスタチン、アトルバスタチン、セリバスタチン、フルバスタチン、シンバスタチン、プラバスタチン、ロバスタチンと、現在8種類のスタチンが日本および海外の製薬会社から医薬品として販売されています。

スタチンと糖尿病の発症リスクについては議論がありました

前述した後ろ向き研究では、たとえばプラバスタチン(商品名:メバロチン)に糖尿病の新規発症率を3割抑制したという報告もありましたが、逆にロスバスタチン(商品名:クレストール)に代表されるような、スタチンが糖尿病の発症リスクを増加させるという報告が相次いでいました。

そのためスタチンは、その心血管ベネフィットにより処方はされてきましたが、その一方で糖尿病の発症リスクをわずかにでも増加させると懸念されていたわけです。

ピタバスタチンと糖尿病の発症リスク

ところが今回、1,300人もの被験者を対象に、約3年間に渡って追跡調査した世界で初めての前向き研究において、スタチンの一種、ピタバスタチンと糖尿病発症リスクとの間に次のような関係が明らかになりました。

解析の結果,糖尿病発症のハザード比(HR)は0.82(95%CI 0.68~0.99,P=0.041)と算出され,ピタバスタチン群におけるリスク低下が認められた。

中略

なお,ピタバスタチン群ではベースラインから試験終了時までにLDLコレステロール(LDL-C)が23%低下。LDL-C,トリグリセライド(TG),HDLコレステロール(HDL-C)は,対照群と比べて有意な改善を示した。

一方,試験中の全有害事象,深刻な有害事象ともに群間差はなく,ピタバスタチンは主要有害事象を引き起こすことなく,脂質プロファイルを改善することが示唆された。

3年間で18%のリスク抑制は大きいと言えますね。また、ピタバスタチンは主要有害事象を引き起こすこともなく、本来の薬効である悪玉コレステロールをしっかりと下げることはもちろん、善玉コレステロールや中性脂肪に対しても対照群と比べて有意な改善効果が認められていたことも合わせて明らかになったとのこと。

もしも今現在、ピタパスタチン(商品名:リバロ)以外の抗コレステロール薬を服用されている方で、特に糖尿病の心配のある方などは、一度主治医の先生に相談してみると良いかも知れませんね。

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category : 脂質異常症

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