妊娠高血圧が産後の心筋症リスクを倍増!リスクは5年以上も続く

妊娠中には身体に大きな負担がかかります。特に、妊娠前から血圧が比較的高めだった人はもちろん、35歳以上の人、初産の人、肥満傾向のある人、糖尿病や腎臓に持病のある人、ストレスの多い人などの場合、妊娠中に高血圧症を発症するリスクが高まるとされています。

現在、妊娠20週から分娩後12週の間に高血圧(収縮期血圧が140mmHg以上、拡張期血圧が90mmHg以上)が見られる場合、または高血圧に蛋白尿を伴う場合に「妊娠高血圧症候群」と診断され、正常血圧の妊婦とは区別してより慎重に管理されています。

妊娠高血圧症候群と出産後の心筋症リスクについて

これまでの研究で、妊娠高血圧症候群を発症した場合、特に妊娠高血圧腎症を合併した女性は、出産前後の期間を意味する周産期の心筋症リスクが高いことがわかっていましたが、周産期以降の心筋症にも関係するかについてはよくわかっていませんでした。

そして今回、デンマークの研究チームは、1978~2012年に1回以上出産した女性 107万5,763例を対象に、最長で34年7ヶ月の長期に渡って追跡し、妊娠高血圧症を発症しているか否か、またその程度ごとの出産後の心筋症発症率を比較した調査結果を発表しました。その注目すべき結果は次の通りです。

妊娠中に高血圧性疾患の合併がなかった群は,1,821万1,603人・年の追跡で1,408例が心筋症を発症し,10万人・年当たりの発症率は7.7例だった。

これに対し,重症妊娠高血圧腎症合併群では追跡17万3,062人・年で発症27例,発症率15.6例(ハザード比2.20),中等症妊娠高血圧腎症合併群では追跡69万7,447人・年で発症102例,発症率14.6例(同1.89),妊娠高血圧合併群では追跡21万3,197人・年で発症40例,発症率17.3例(同2.06)…

心筋症のリスク増は最後の妊娠から5年以上経過後も続く…

つまり、妊娠中に高血圧性疾患を合併している妊婦が、出産後に心筋症を発症するリスクが約2倍に高まっていることがわかったのです。しかも、このリスク増は最後の妊娠から5年以上経過後も認められたのだとか。

日本産婦人科学会によると、この妊娠高血圧症候群は、妊婦の20人に1人の割合で起こるとされている一方で、その具体的な発症原因はまだよくわかっておらず、効果的な予防法も見つかっていないのが現状のようです。

そんな中にあっては、この妊娠高血圧症を発症した経験のある人は、少なくとも出産後に心筋症リスクが倍増することを、そしてそれが長期間続くことを、まずは自覚することが大切です。

その上で、高血圧の症状はもちろん、脂質異常症や高血糖、肥満、喫煙習慣など、心筋症リスクを上げるその他のリスク要因を有している場合は、生活習慣の改善などにより、ひとつひとつ引き下げていく必要があると言えますね。

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category : 妊婦さん

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