蘇生に人工呼吸は必要なく、心臓マッサージだけでも効果あり!

心肺蘇生術といえば胸部圧迫による心臓マッサージと人工呼吸を繰り返す方法が、頭に思い浮かぶのではないでしょうか。ところが今回、一般市民が心肺蘇生を行う場合は、心理的抵抗が強い人工呼吸はせずに、胸部圧迫による心臓マッサージだけでも救命数が増えたとの調査結果が出たようです。

この調査結果をまとめた京都大の研究チームは、2005年1月~12月末までの消防庁の記録を使って、救急搬送前に心臓が止まった患者、約 81万6千人を対象に、救急隊到着前に一般市民が行った蘇生法を分析したものです。その具体的な調査結果は次の通り。

胸部圧迫と人工呼吸を約10万人、胸部圧迫のみを約25万人の市民が行い、搬送前にいずれかの蘇生法を受けた患者の社会復帰数(人口1000万人あたり推計値)は、8年間で9人から43.6人に改善した。

患者の社会復帰数を詳しく見ると、胸部圧迫のみの場合が0.6人、人工呼吸と共に行った場合は8.4人だったが、8年間でそれぞれ28.3人、15.3人に改善。

つまり、治療後に無事に社会復帰できた患者数を見た時、心肺蘇生に慣れていない一般市民が蘇生を行う場合は、胸部圧迫と人工呼吸の両方を行うよりも、胸部圧迫だけした方がより改善幅が大きいことがわかったのです。

実際、この辺りのことについては以前から議論があったようで、医師や研究者らで組織する「日本蘇生協議会」などが策定した日本版のガイドラインでは、心肺蘇生の訓練を受けていない場合は胸部圧迫のみを行うべきと明記されているようです。

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category : 救急医療

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