結核治療薬の抗生物質「リファンピシン」に認知症予防効果

65歳以上の高齢者のうち、認知症を発症している人は15%にも及ぶと推計されており、認知症の前段階である軽度認知障害の患者を含めると、65歳以上の実に4人1人が認知症とその予備軍であると言われています。

認知症の40~60%を占めるとされるアルツハイマー病などの” 変性性認知症 ”は、脳に特殊なタンパク質がたまって塊になり、それによって傷つけられた神経細胞が死滅することで症状が進むと考えられています。

安価で副作用の少ない既存薬に認知症予防効果

そして今回、大阪市立大などの研究チームにより、結核などの薬として40年以上使われてる抗生物質「リファンピシン」に、認知症を予防する作用があることがマウス実験で確認されました。

研究グループは、結核やハンセン病などの治療として、この「リファンピシン」を服用していた患者に認知症が少ないという過去の報告に着目し、変性性認知症を発症し記憶障害を起こしているマウスを使って、「リファンピシン」の効果を確認しました。

その具体的な実験内容とその結果は次の通りです。

マウスを円形プール(直径約1メートル、水深約30センチ)で泳がせ、足場に到着するまでの時間を計る実験を行った。

リファンピシンを与えたアルツハイマー病のマウスは、周囲の風景を記憶して、5日目の実験で、健康なマウスとほぼ同じ20秒程度で足場にたどり着くことができた。

一方、与えなかった同病のマウスは倍近くの時間がかかった。

抗生物質「リファンピシン」は、安価で比較的副作用も少なく、内服も可能な抗生物質で、安全性や副作用が判明している既存の薬剤が認知症予防に活用できるとなると、新薬を開発するのに比べて時間や費用が抑えられる可能性があります。

残念ながら既に認知症を発症した患者に投与しても、その進行を止めることは難しいようですが、認知症は約20年もの長い歳月をかけて、前述の原因タンパク質が凝集することにより発症する病気であるため、その期間に投与すれば、認知症の発症を食い止めることが可能になるかも知れません。

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category : 認知症・アルツハイマー病

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