新糖尿病治療薬「SGLT2阻害薬」の副作用発表で注意喚起

新しい糖尿病治療薬「SGLT2阻害薬」について

これまでの糖尿病治療薬の考え方は、あくまでも膵臓に作用し、インスリンを出すことで血糖コントロール改善を目指すものでした。

ところが、2014年4月以降に相次いで発売された、新しい糖尿病治療薬「SGLT2阻害薬」は、膵臓ではなく腎臓に作用する治療薬です。

したがって、インスリンの分泌を制御している膵臓のβ細胞を酷使するわけでもなく、腎臓の機能そのものへの負担もありません。ごくごく簡単に説明すると、SGLT2阻害薬とは、腎臓での糖の再吸収を防いで、糖を尿中に多く排出することで血糖値を下げる薬なのです。

SGLT2阻害薬のメリットとデメリット

このSGLT2阻害薬には、インスリン分泌に依存せず作用するため、低血糖の心配がなく、その他にも体重減少や血圧低下、脂質プロフィール(LDLコレステロール、HDLコレステロール、中性脂肪の数値)改善効果などの副次的なメリットも確認されていました。

ところがその一方で、特に高齢者などで多尿による脱水の危険性や、尿糖が頻発することによる尿路感染症、低血糖や全身性皮疹などの重篤な副作用の可能性が、かねてより指摘されていました。

SGLT2阻害薬の副作用で脳梗塞12例など

そして今回、日本糖尿病学会より、8月17日までに報告されたSGLT2阻害薬による副作用件数が、脳梗塞12例、低血糖114例、皮膚症状が500例以上に達したとの発表がなされました。

SGLT2阻害薬の服用による尿量の増加によって、ただでさえ脱水の危険性があるところに、これからしばらくは残暑による発汗が重なるわけです。体の水分量が元々少なくなっている高齢者などは、特に注意が必要だと言えますね。

今回の報告にある脳梗塞は、脱水による血液濃度の上昇が血栓の発生に繋がり、まさしくそれが原因となっていると考えられますので、脂質異常症など脳梗塞のリスクのある方は、より一層の注意が必要です。

インスリン分泌を介さずに血糖値を下げるSGLT2阻害薬の効果は、これまでも、そしてこれからも、かかる期待は大きいと言えますが、新薬には常に副作用の恐れがあります。もちろん服用に際しては、主治医の指示に従うことが重要ですが、医師側にもより慎重な処方が今後一層求められそうですね。

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category : 副作用

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