治療が難しい皮膚がん「血管肉腫」に関係する遺伝子を発見

皮膚がんの中でも進行が早くて見逃されやすく、治療も難しいため、新しい診断法と治療法の開発が望まれていた「血管肉腫」に関して、その原因解明や特効薬の開発に繋がる研究成果が発表されました。

「血管肉腫」は血管やリンパ管の細胞から発生し、中年以上の頭部にできることが多い皮膚がんの一種です。進行が早く発見されにくいため、リンパ節や内臓に転移しやすく、しかも、放射線療法や化学療法などの従来の治療が効きづらい、非常にやっかいながん種でした。

血管肉腫の発生に関係する特殊な融合遺伝子を特定

今回、熊本大大学院と北里大の研究グループは、この「血管肉腫」のがん細胞の遺伝子を解析した結果、本来は別々であるはずの2つの遺伝子が融合した特殊な遺伝子を発見。この融合遺伝子は、血管肉腫の患者25人のうち9人に確認されました。

次に、この融合遺伝子をマウスに注射したところ、マウスのがん化を確認。さらに、この融合遺伝子を血管肉腫の細胞から除去すると、血管肉腫の細胞の減少も確認できたことから、この融合遺伝子が癌の発生に関係していることが明らかになったのです。

本来は別々であるはずの複数の遺伝子が融合した「融合遺伝子」は、これまで白血病や悪性リンパ腫などの癌でも発見されており、この融合遺伝子を検出することで、今後精度の高い診断が可能となるかも知れません。

今回の血管肉腫における融合遺伝子の発見は、これまで発見や治療の難しかった血管肉腫という皮膚がんを克服するための突破口になるだけでなく、より精度の高いがんの診断法や特効薬の開発に繋がる可能性に期待が集まっています。

Tweet about this on TwitterShare on FacebookShare on Google+
このエントリーをはてなブックマークに追加

category : がん治療・がん研究全般

このページの先頭へ