スタチンの2型糖尿病発症リスク上昇に関する最新の驚くべき報告

先日のサウナの心疾患予防効果に関するトピックスに引き続き、フィンランド発の注目すべき研究成果をご紹介しましょう。

スタチンによる2型糖尿病発症リスクに関しては、これまで数多くの研究で検討がなされてきましたが、今回、フィンランドから驚くべき最新の報告があったようです。

スタチンの2型糖尿病発症リスクとの関連に関するこれまでの経緯

スタチンとは血液中のコレステロール値を低下させる薬物の総称で、現在では様々な種類のスタチンが開発され、高コレステロール血症の治療薬として、世界各国で広く使用されています。

そもそもスタチンの2型糖尿病発症リスクとの関連に関しては、2001年に報告されたリスクを30%も低下するとのセンセーショナルなものから始まりました。しかし、最近では逆にリスクを上げるとする報告が相次いでおり、現在ではむしろそちらの方が優性であったようです。

但し、スタチンが2型糖尿病の発症リスクを上昇させるとの数多くの有力な報告はあったものの、これまでの研究では、その具体的なメカニズムは明らかではありませんでした

信頼できる大規模研究で驚きの結果が!

今回、フィンランドの研究チームから、同国の地域住民 8,749例を対象とし、5.9年間に渡って追跡した大規模研究において、スタチンによる高コレステロール血症治療を継続して受けていた人は、スタチンを利用していなかった人に比べて2型糖尿病を発症リスクが、なんと 46% も上昇していたとの驚きの報告がありました。

また、2型糖尿病リスクの上昇にスタチンの用量依存性、つまり服用するスタチンの用量が多いほど、糖尿病発症リスクの上昇が認められた他、スタチン療法を受けていた人は、受けていなかった人に比べて、インスリン感受性が24%、インスリン分泌が12%低下していたことも判明したのだとか。

インスリン感受性、つまり、インスリンが十分な効果を発揮できる能力が24%も低下しただけでなく、インスリンの分泌量自体 12%も低下しているわけですから、これが2型糖尿病発症リスク上昇に直接繋がっていると考えても良さそうです。

但し、サウナの心疾患予防効果に関するトピックス同様、今回の研究成果も研究対象がフィンランド在住の白人男性のみである点を考慮すると、他の人種や女性にもこの結果をそのまま当てはめることは、いささか乱暴であると言わざるを得ません。さらなる研究を待つ必要がるようです。

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category : 脂質異常症

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