サプリによるビタミンD補充で喘息の悪化リスクを低下しうる可能性

以前より、喘息の病状の悪化は、血中のビタミンD濃度が低いことと関連している可能性が示されており、実際、ビタミンDの補充によって、そんな喘息の悪化をもたらす上気道感染症のリスクを顕著に低下させるとする報告もあるなど、喘息管理におけるビタミンD補充が注目されつつありました。

そんな中にあって、今回、英クイーン・メアリー大(ロンドン大)の研究チームにより、ビタミンDサプリメントの経口投与により、喘息の病状が悪化するリスクを有意に低下させうるとする最新の研究成果が発表されました。

データの解析対象には日本人の喘息患者も

研究チームは、総計1千例以上(小児患者435例、成人患者658例)の喘息患者を対象とした、カナダ、インド、日本、ポーランド、英国、米国で実施された9件の比較試験のデータを統合的に解析し、得られた研究結果の概要は次の通りです。

ビタミンDサプリメントの経口投与は、ステロイド薬の全身投与を必要とする喘息増悪リスクの有意な低下に関連していた(発生率比0.63、95%CI 0.45~0.88、3試験・計680例)。

この分析結果は、ビタミンDの補充によりステロイド薬の全身投与が必要となるほどの喘息症状の増悪の頻度が、1人当たり年間 0.44回から 0.28回に減ったことに相当しています。

また、同サプリメントの経口投与は、入院あるいは救急外来の受診を必要とする増悪リスクの有意な低下にも関連していた(オッズ比0.39、 95% CI 0.19~0.78、7試験・963例)。

この分析結果は、ビタミンDの補充により、入院あるいは救急外来の受診を必要となるほどの喘息症状の増悪が、患者100例当たり6件から約3件に減ったことに相当しています。

肺機能や喘息症状の改善までは認められず

以上のように、ビタミンDサプリメントの経口投与による補充は、喘息症状が増悪するリスクを有意に低下させる可能性が示されたわけですが、同サプリの効果はあくまで”喘息の増悪リスクの低下”にとどまり、残念ながら肺機能や喘息症状の有意な改善までは認められませんでした。

とは言え、ビタミンD補充による重篤な副作用は確認されなかったことから、近い将来、標準的な喘息治療に加えて、ビタミンDサプリメントが活用されるようになるかも知れませんね。

本研究の課題と今後の展望について

但し、本研究の対象となった喘息患者のほとんどは、軽症または中等度の喘息患者で、重症患者が占める割合は低かったことから、重症患者に対しても、同様にビタミンDサプリメントによるベネフィットが得られるかどうかは明らかではありません。

また、ビタミンDサプリメントによるこの利益が、血中ビタミンD濃度が低い患者においてのみ認められるのか、あるいはビタミンDの血中濃度に関わらず全ての喘息患者で認められるのかについても、現時点ではまだ明確ではないのだとか。

研究チームはこれらの点について、現在すでに解析を進めており、数ヶ月以内には新たな研究結果として発表することを予定しているとのことです。今後も研究の行方に注目していきましょう。

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category : その他のアレルギー

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