アルツハイマーの原因物質「タウ」の脳蓄積を画像化する技術を開発

認知症の50~60%を占めるとも言われているアルツハイマー病は、脳内に「アミロイドβ」や「リン酸化タウ」と呼ばれる異常なタンパク質が蓄積し、周辺の神経細胞を破壊することで発症すると考えられてきました。

リン酸化タウとは、タウと呼ばれるタンパク質にリン酸という分子が過剰に結合した異常なタンパク質で、最近の研究では、アミロイドβよりもむしろ、このタウたんぱく質こそが、アルツハイマー病の原因物質として注目されているようです。

そして今回、京都大の小野正博准教授や佐治英郎教授らは、アルツハイマー病の原因物質として注目されている、このタウたんぱく質が、脳内に蓄積する様子を画像で捉える技術の開発に成功しました。

新開発の造影剤を使ってSPECTで撮影

より具体的には、タウたんぱく質の濃度が高いところに集まることを確認した新開発の造影剤を用いて、単一光子放射断層撮影(SPECT)と呼ばれる装置を使って撮影するというものです。

単一光子放射断層撮影(SPECT)とは、人体に微量の放射性医療品を投与した上で、放出される放射線を検出し、その分布を断層画像にするもの。従来のCTでは形態しか把握できませんでしたが、このSPECTを使うと、血液量や代謝などの情報を得ることもでき、脳血管障害や心臓病、がんなどの早期発見に有効な検査手法とされています。

また、この「SPECT」は国内に2,000台弱設置されており、がん検査などに使われている「PET(陽電子放射断層撮影)」よりも設置台数が多い上に、放射線による被爆線量も、通常のレントゲン検査による被曝量とほぼ同程度と低いため、より多くの患者が、より安全に利用できるというのも大きなメリットだと言えます。

現時点で根本的治療法が見つかっていないアルツハイマー病においては、早期発見、早期治療がその後の症状悪化を食い止める上で、何よりも重要になります。その意味でも、この技術が、アルツハイマー病の早期診断技術として実用化されることに大きな期待が寄せられています。

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category : 認知症・アルツハイマー病

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