野草から取れる物質「タキシフォリン」にアルツハイマー改善効果を確認

野草のアザミから取れる物質タキシフォリン」に、アルツハイマー病の原因物質とも目されているアミロイドβの脳血管への蓄積を抑制し、アルツハイマー病の症状を改善させる効果があることがマウス実験で確認されました。

この研究成果は、国立循環器病研究センターの斉藤聡医師らの研究チームによるものです。

近年の研究により、アルツハイマー病は異常タンパク質の「アミロイドβ」が脳内の血管周辺で結びつき、蓄積することがその一因になるとされています。

ところが、これまでのアルツハイマー病研究は、神経細胞の病態研究が中心であり、この脳血管へのアミロイドβの蓄積に焦点を当てた治療法開発研究は十分になされていませんでした。

これまでの研究で、野草のアザミから取れる物質「タキシフォリン」には、このアミロイドβ同士が結びつくのを防ぐ働きがあることが知られていました。

そこで研究チームは、アルツハイマー病を発症したマウスの一部に、この「タキシフォリン」を混ぜた餌を与え、この物質を与えなかったアルツハイマー病マウス、及び、正常マウスにおける脳内のアミロイドβ沈着量、及び、脳血流量や記憶力を比較しました。

その結果は次の通りです。

Aβオリゴマー(アミロイドβの集合体)の量はタキシフォリン投与群が非投与群の1/4程度にまで減少。また、記憶の中枢である海馬へのAβ(アミロイドβ)沈着量も、投与群は非投与群の半分程度であった。

さらに、投与群の脳血流量はほぼ野生型と同等まで回復し、空間記憶能テストでも野生型と変わらない結果であった。

つまり、タキシフォリン投与により、すでに蓄積していたアミロイドβが大幅に減少していただけでなく、脳血流量や記憶力も正常マウスと同程度にまで回復していることが確認されたわけです。

現時点ではあくまでマウス実験レベルの成果ではありますが、もしもヒトにも有効であれば、アルツハイマー病により低下してしまった認知機能の回復…とまでは難しいとしても、アルツハイマー病の予防や病状の進行を防ぐことは大いに期待できそうですね。

研究チームは今後、認知症に対する新規の治療薬としてのヒトへの効果を確認するため、2017年度中の臨床試験開始、及び、2025年中の臨床応用を目指しています。

  1. 野草のアザミから取れる物質「タキシフォリン」に、アルツハイマー病の症状を改善させる効果を確認
  2. マウス実験では、アミロイドβの沈着量の大幅な減少、脳血流量や記憶力の回復も確認
  3. 2017年度中の臨床試験開始、及び、2025年中の臨床応用を目指す
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category : 認知症・アルツハイマー病

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