旅行の認知症予防効果を脳科学的に検証!産学連携の共同研究開始

2025年には65歳以上の5人に1人が認知症を発症するとの予測もある中、認知症対策は差し迫った課題であると言えます。

これまでの研究により、脳の老化を防ぐためには、「運動」 と 「知的好奇心の刺激」が非常に重要な役割を果たすことがわかってきましたが、この2つのポイントを日常生活の中で同時に体験することは、なかなかに難しいと言えます。

しかし、非日常である” 旅行 ”であれば、この2つの重要ポイントを同時に、しかも楽しく体験することができるかも知れません。

旅行が認知症予防にもたらす効果の研究を開始

そして今回、東北大加齢医学研究所と旅行会社クラブツーリズムの研究チームにより、産学連携の共同研究として「旅行が認知症予防にもたらす効果の研究」が開始されることになりました。

この研究は、60歳以上の日本人男女60人を、旅行に頻繁に出掛けるグループと、旅行に出掛けないグループに30人ずつに分けた上で、脳画像検査や認知機能検査、主観的な幸福感などを調べる心理検査を行うというものです。

予備調査の結果を踏まえて

既に今年5月、研究チームにより、60歳以上の男女45人を対象として実施された予備調査の結果は次の通りです。

  1. 過去5年間の旅行回数が多いほど、人生に対する「失望感」が低い
  2. 「現地交流」を旅行の動機とする傾向が強いほど、人生に対する「満足感」が高い
  3. 「文化の見聞」を動機とする傾向が強いほど、人生での困難に対処できる自信を持っている

つまり、頻繁に旅行に行くこと、また明確な動機や目的を持って旅行を楽しむことが、認知機能の低下を抑制し、認知症の予防効果がある可能性が示されたのです。

旅行の脳への影響を脳科学的に検証

今回開始される研究は、この予備調査の結果を踏まえ、旅行が高齢者の主観的幸福感の向上、脳の萎縮の抑制、認知機能の維持に影響することを、脳画像や認知機能の評価などにより脳科学的に示すこと。

さらに、旅行の頻度や経験が、具体的に脳のどの領域に関連し、どのような認知機能のレベル維持に貢献しているかを明らかにすること。この2項目の検証を目的としています。

旅行の脳への影響を何らかの所見として確認できるよう、研究期間は3年程度を予定しています。

Tweet about this on TwitterShare on FacebookShare on Google+
このエントリーをはてなブックマークに追加

category : 認知症・アルツハイマー病

このページの先頭へ