脳卒中リスクは血圧の長期的な変化で評価すべき

脳卒中の危険因子には、飲酒や喫煙習慣、運動不足といった生活習慣の他、肥満や脂質異常症、糖尿病などの生活習慣病が挙げられますが、その中でも最大の危険因子は高血圧です。

厚生労働省によると、脳卒中によって死亡するリスクは、正常血圧の人に比べると、軽度の高血圧(収縮期血圧が140~159mmHg)の人で約3倍に、重症高血圧(180mmHg以上)になると7倍以上にも及ぶとされています。

以上のように、高血圧は脳卒中リスクの評価においては、最も重要な要因であることは間違いありませんが、脳卒中や血圧関連疾患による死亡リスクを正確に予測するためには、単に現時点での血圧測定値だけを見ていたのではいけない可能性がでてきたようです。

4つの血圧の変動パターンと脳卒中リスク

今回、55歳以上のオランダ人 6,700人以上を対象に、1990年から20年間に渡って収縮期血圧のデータを集計し、その間における脳卒中の発症リスクや血圧関連の疾患で死亡するリスクとの関連を調べた結果、次の4つの血圧変動パターンが特定されました。

  1. 正常血圧(120mmHg)から高血圧(160mmHg)へと徐々に上昇(※1)
  2. 中年期は正常血圧だが、その後急激に上昇して非常に高く(200mmHg)なる
  3. 中年期から変わらず中等度の高血圧(140mmHg)
  4. 中年期は高血圧(160mmHg)だったが、65歳以降に降下(※2)

(※1) 加齢による自然な血圧上昇で、最も多くの人に見られたパターン
(※2) 特に男性に多く見られ、降圧薬を服用する患者の比率が高い傾向あり


この4つの血圧変動パターンの中でも、特に脳卒中の発症リスクが低く、死亡リスクも低かったのは、① の血圧が徐々に上昇したグループでした。

この ① と比較した時の脳卒中リスクは、65歳以降に血圧が降下した ④ で最も高く(13.6%)、次いで、血圧が急激に上昇した ② (8%)、中年期から変わらず中等度の高血圧だった ③ (5%弱)で、死亡リスクが最も高かったのは、④ と ② という結果が出たのだとか。

つまり、脳卒中を発症するリスク、および血圧関連の疾患で死亡するリスクがともに特に高かったのは ④ と ② 、すなわち、高かった血圧が65歳以降に降下した人と、中年期から急激に血圧が上昇した人ということになります。

また、中年期から中等度の高血圧(140mmHg)を維持した人は、脳卒中リスクこそ高めであったものの、死亡リスクは低いことがわかりました。

つい高血圧というと、その時その時の血圧の数値が気になってしまいがちですが、これからはより長期的な視点に立って、各自の全体的な血圧変動パターンをしっかりと認識して、脳卒中や関連疾患予防に取り組むべきかも知れませんね。

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category : 脳卒中

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