加齢黄斑変性につながる異常な新生血管の発生をチップ上で再現することに成功

失明の恐れがある網膜疾患“ 加齢黄斑変性症 ”のうち、日本人に多い滲出型加齢黄斑変性につながる病態の一部をチップ上で再現することに、東北大学の研究チームが成功しました。

滲出型加齢黄斑変性は、網膜の中心にあって視力の要となる“ 黄斑部 ”に、異常な新生血管が発生し、そこから出血したりむくんだりすることにより変性を起こす眼の難病です。

滲出型は日本人に多いタイプで、国内の推定患者数は約70万人にも及ぶとされ、2014年に日本において世界で初めてiPS細胞を使った臨床研究の対象も、この滲出型加齢黄斑変性でした。

異常な血管が現れる原因としては、その病名の由来ともなっている加齢のみならず、網膜組織の酸素濃度やエネルギー代謝、血流や遺伝子など、様々な要因が複雑に関わっていると考えられています。

この難病の新しい治療薬や治療法を開発するためには、その詳細なメカニズムを把握する必要があり、そのためにはその病態を簡単に再現する培養モデルの作製が望まれていました。

今回の研究成果の詳細は次の通りです。

細かい穴の開いたシリコーンゴム製のチップで、ヒトの網膜の細胞と血管の細胞を培養。細胞が成長したところで、栄養となる血糖や酸素が足りない状態にした。

すると、チップを境にして網膜の細胞と分かれていた血管の細胞が反対側に入り込み、網膜の細胞を破壊する様子が確認できた。

この過程は、滲出性加齢黄斑変性につながる異常な新生血管の発生をチップ上に再現したものと考えられることから、これまで使われてきた疾患モデル動物の代替として、さらなる病態の解析や新薬開発への応用が期待されています。

  1. 失明の恐れがある眼の難病、滲出型加齢黄斑変性につながる病態の一部をチップ上で再現することに成功
  2. 滲出型加齢黄斑変性に対する新しい治療法や治療薬の開発への応用に期待
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category : トピックス

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